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セクシュアルハラスメント

平成11年4月から、職場におけるセクシュアルハラスメント(セクハラ)防止のための配慮が、事業主に義務づけられました。
ポイント-1 「従業員の意識や実態の把握」

【チェックポイント】

まず、従業員のセクシュアルハラスメント問題に関する意識のレベルや、実態を会社側が客観的に把握することから防止対策のすべてが始まります。
【改善のポイント】
従業員の意識や社内の実態を把握することは、職場のセクシュアルハラスメントを未然に防止し、従業員にとって働きやすい職場環境を作っていくための出発点です。

◇従業員の意識や実態を把握しましょう
従業員へのアンケート調査や面接によるヒヤリングを行ったり、従業員が自由に意見を述べられる機会を設けることが望まれます。アンケート調査では、従業員のセクシュアルハラスメントに対する理解、認識度を知るための項目、社内におけるセクシュアルハラスメントの実態を把握するための項目、企業の防止対策について従業員の意見や要望を把握するための項目等を設けることが考えられます。

ポイント-2 「方針の明確化」
ポイント-3 「方針の周知・啓発」

【チェックポイント】
「男女雇用機会均等法(以下「均等法」という)」及び同法に基づき定められている「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき事項についての指針(以下「指針」という)」では、「事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメ ントに関する方針を明確化し、労働者に対してその方針の周知・啓発をすることについて配慮をしなければならない」とされています。

【改善のポイント】
職場でセクシュアルハラスメントが生じると、例えその問題が解決されたとしても、職場環境の悪化によって職場秩序や仕事の円滑な遂行が阻害される等、企業の効率的運営、労働生産性にも影響しかねません。セクシュアルハラスメントを未然に防止することが、何よりも重要なことです。
そのためには、「我が社では職場におけるセクシュアルハラスメントを断固許さない」という企業の方針を明確にし、その方針を全従業員に向けて周知・啓発することです。

◇会社の方針は文書に明記しましょう
「会社の方針を朝礼時等に口頭で伝える」、「社内報に掲載する」といった方法をとる場合には、一度実施しただけでは時間が経つにつれて印象が薄れてしまいかねません。定期的に伝える、掲載する等の取組をしてください。
また、会社の方針は、その内容を就業規則・社内倫理規定・社内通達等の文書に明記することが方針を徹底するためには効果的です。会社の方針が文書化されていない場合は、文書で明確化するよう努めてください。

◇全従業員に周知・啓発されるよう工夫しましょう
会社の方針は、必ず全従業員に周知・啓発することが必要です。方針を明記した書面等を全従業員に配付する、全従業員が供覧できる場所に掲示する等の措置を講じてください。
新規採用者、中途採用者に対しては、入社時の説明や新入社員研修などの際に、会社の方針について周知・啓発してください。
また、企業のトップ自らが防止宣言を行うなど、会社全体としてこの問題に対して真剣に取り組んでいるといった姿勢をみせることも効果的です。

ポイント-4 「セクシュアルハラスメントに関する理解の促進」
【チェックポイント】
セクシュアルハラスメントに関する理解の促進が、問題拡大の防止に大きく貢献します。

【改善のポイント】
周知・啓発をするにあたっては、職場におけるセクシュアルハラスメントの起こる原因や背景について、従業員の理解を深めることが重要です。

◇男女の意識の差を理解させましょう
性的言動を不快に感じるかどうかについては、個人間、男女間、世代間で大きな差があります。男性が「職場のコミュニケーション」と思っていても、女性に不快感を与えている場合もあります。
男女の意識や職場の実態を把握し、男女の意識の違いを認識させることや、男女の固定的な役割分担意識に基づく言動がセクシュアルハラスメントを生じさせやすい職場環境の土壌となっていることを理解させることが重要です。

◇研修の機会を設けましょう
従業員一人ひとりにセクシュアルハラスメントについて正しく理解させ、認識を深めさせるためには、積極的に研修に取り組むことが望まれます。
研修の実施にあたっては、一般従業員向け、管理職向けなど階層別で実施することが効果的です。研修の内容としては、ビデオを用いるなどセクシュアルハラスメントが具体的に理解できるような方法や、具体的事例をもとにして、男女従業員がそれぞれどう考えるかなどを話し合い、男女の認識の差を理解させるという方法もあります。

ポイント-5 「相談・苦情対応窓口の明確化」
【チェックポイント】
均等法及び指針では、「事業主は、相談・苦情への対応のための窓口を明確にすることについて配慮しなければならない」とされています。

【改善のポイント】
◇窓口を明確にしておきましょう
職場におけるセクシュアルハラスメントを早期に把握し、問題の発生を未然に防止するとともに、速やかに問題解決を図るため、相談・苦情に対応するための窓口を明確にしておくことが必要です。被害が起こってからの場当たり的な対応とならないように、あらかじめ相談・苦情の受付窓口を決め、窓口の設置場所、利用方法について従業員に広く周知しておくことが望まれます。

ポイント-6 「相談・苦情対応窓口を利用しやすくするための工夫」
【チェックポイント】
均等法及び指針で求めている「窓口を明確にすること」とは、「形式的に設けるだけでは足らず、実質的な対応が可能な窓口が設けられている」ことです。

【改善のポイント】
◇気軽に相談できる窓口を工夫しましょう
相談・苦情窓口を設けていても、利用者がいない場合は、相談しづらい窓口となっている可能性があります。女性労働者の意見も聞きながら、従業員が相談しやすい体制となるように、相談・苦情の受付方法や担当者の人選等について、点検してください。
相談・苦情窓口を事業所ごと、職場ごとに設置する、専用電話を設けて遠隔地からでも申し出ることができるようにするなど、気軽に安心して相談できる窓口を工夫してください。
相談を受ける担当者には、公正真摯な態度で相談にあたることができる人材を選任することは当然ですが、担当者が一人であると、相談者が個人的にその人には相談しにくいという場合もあることから、女性を含め、できる限り複数の担当者を選任しましょう。

◇プライバシーにも配慮しましょう
セクシュア ルハラスメントの相談にはプライベートな問題も含まれているので、安心して相談できるようプライバシーの保護に留意していることや、相談したり苦情を申し出たことを理由として不利益な取扱いを受けないことについても周知してください。

ポイント-7 「相談・苦情窓口担当者の適切な対応」
チェックポイント
均等法及び指針では、「事業主は、相談・苦情に対応し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応することについて配慮をしなければならない」とされています。

【改善のポイント】
◇相談・苦情には迅速に対応しましょう
相談・苦情に村応する窓口担当者は、公正な立場に立って真摯に対応することが望まれます。相談・苦情を受けたときは、初期の段階での迅速な対応が必要です。放置しておくと、問題を悪化させ、被害を拡大させてしまいます。
相談の内容や状況に即した適切な対応がとれるよう、相談・苦情を受けた後の対応手順や人事部門と連携する等担当部署をマニュアルなどであらかじめ明確に定めておきましょう。

◇相談・苦情には柔軟に対応しましょう
相談・苦情の内容が厳密に職場におけるセクシュアルハラスメントと断定できるものでなくても、放置すれば就業環境を害するおそれのあるものや、いわゆる「グレーゾーン」とよばれるものにも、幅広く対応するようにしてください。性的な言動が軽度なものであっても、行為者を注意する等柔軟な村応が必要です。また、相談・苦情担当者の相談対応の仕方やカウンセリングの知識等について研修を実施し、相談者が安心して相談できるよう努めてください。

ポイント-8 「事実関係の確認」
【チェックポイント】
均等法及び指針では、「事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメントが生じた場合において、その事実に係る事実関係を迅速かつ正確に確認することについて配慮をしなければならない」とされています。

【改善のポイント】
問題を放置したり、対応を誤ると問題がこじれるだけではなく、職場環境にも悪影響を与え、再び同じような問題を引き起こすことにつながりかねません。事後の適切な対応は、職場のセクシュアルハラスメントの再発を防止するために重要です。

◇あらかじめ取扱いを定めておきましょう
職場でセクシュアルハラスメントが生じてから、誰がどのように対応するのか検討しているのでは、対応を遅らせることになります。あらかじめ、事実関係を確認するための担当者や部署、対応手順を定めておきましょう。

◇迅速に事情聴取を行いましょう
事実確認は、被害の継続、拡大を防ぐため、相談があった場合は迅速に開始しましょう。
事実確認は、一方の主張のみを聞くのではなく、双方の主張を公平に聴取し判断することが必要です。また、場合によっては職場の同僚等の第三者からの事情聴取も考慮してください。
事情聴取は当事者双方のプライバシーを尊重するとともに、事実関係の確認などで知り得た個人的な秘密は厳守しなければなりません。

ポイント-9 「事実確認後の措置」
【チェックポイント】
均等法及び指針では、「事業主は、その事実に適切に対処することについて配慮をしなければならない」とされています。

【改善のポイント】
セクシュアルハラスメントがあったと認められた場合には、人事部門など関係部局と連携をとりつつ、必要に応じて加害者への制裁を含め、セクシュアルハラスメントの態様や被害者の心身の状況に応じ、必要な措置を講じる必要があります。
◇事実に基づき、事案に応じた措置を講じましょう
セクシュアルハラスメントの程度、被害の状況に応じて、例えば、両当事者を同じ職場で勤務させることが適切でないと判断される場合や事務所内に被害者と行為者のみしか配置されていない場合は、配置転換などにより当事者を引き離すなどの配慮を行うことが必要です。
また、相談者の精神的なショックが大きくメンタルケアが必要な場合は、専門家の指示に基づき、企業として必要な配慮を行うことが求められます。
これらの対応を進めるに当たっては、相談者に十分に説明しながら行いましょう。

◇行為者への制裁は、公正なルールに基づいて行いましょう
セクシュアルハラスメントの内容は、程度により、行為者を懲戒処分の対象とする場合もあります。その場合には、前もって就業規則に懲戒規定を設け、懲戒事由、懲戒の種類と程度を明らかにする必要があります。懲戒処分を行うに当たっては、セクシュアルハラスメントの程度に応じ、他の懲戒事由との均衡を図り慎重かつ公正に行わなければなりません。
温情的な処分の結果、問題が発生した場合は、適切な処置を怠ったとして企業が強く責任を問われることにもなりかねません。従業員に対し、セクシュアルハラスメントが懲戒処分の対象となることを日頃から周知しておくことは、迅速な対応を図る上でも、またセクシュアルハラスメントの発生を防止する上でも効果的です。

ポイント-10 「再発防止策」
【チェックポイント】
起こってしまった後の問題が一応の解決にたどり着いた後の再発防止のための対策が重要です。
【改善のポイント】
◇企業全体で再発防止に努めましょう
セクシュアルハラスメントが起こった場合には、従業員全員に対してセクシュアルハラスメントは許さないという事業主の方針を徹底させることが重要です。そのために、管理職を始めとする従業員研修等を実施し、再度周知を図りましょう。
また、各職場の管理職がセクシュアルハラスメントが生じていないか十分注意を払い、職場環境を害する言動を見逃さないよう目配りするよう徹底したり、女性が不快に思うような言動が日常的に行われていないか職場環境を点検し、改善するといった取組が望まれます。
さらに、セクシュアルハラスメントの相談をした従業員をトラブルメーカーとして扱ったり、社内で相談をしづらい雰囲気がないか相談・苦情への対応状況を再検討してみましょう。