■退職後に懲戒事由が発覚
就業規則に退職金返還の規定を盛り込むことがポイント
 在職中に懲戒処分を受けたときに、それが解雇に相当する重大なものであれば、退職金規定の定めに則って退職金が減額され、または不支給となる場合がありますが、退職後に同様の非行が発覚した場合は、遡って懲戒解雇扱いにするというような処分はできませんから、通常は支払った退職金について返還を求めることができず、非行によって被った損害の賠償を求めて提訴するしかありません。

 ただ、退職金規程中に、退職後に在職中の懲戒解雇処分に相当する非行が発覚した場合は退職金は支給せず、支給がが済んでいる場合にはその退職金を返還させる、との文言を謳い込む事で返還請求を法的根拠を持って行うことができるようになります。

  就業規則中の規定の仕方ひとつで、企業リスクを軽減させられる事を示した分かりやすい事例です 。