<就業規則と労務管理> 新入社員教育


入社式を終えると、新入社員研修を実施する企業も多いことと思います。企業にとって人は財産です。今年の新入社員を人財に育てていくには、どうしたらいいでしょうか?
ここでは新入社員教育について考えてみたいと思います。

まず一般的な話ですが、新入社員教育の期間は1日だけのところから、半年以上の長期の研修を行うところもあります。研修期間が短い場合は、OJT(上司、先輩が実際の仕事を通じて、仕事に必要な知識・技術などを教えること)によって習得させていくことがメインになります。OJTの場合は、新入社員を教える指導者の力量に成果がかなり左右されるという問題点があります。この問題をクリアするには、指導力をつけるためのトレーニングや、ある程度のカリキュラムやマニュアルが必要になります。長期の研修の場合は、カリキュラムを組むことに苦労する企業も多いようです。自社にノウハウが蓄積しているのでなければ、外部の機関を使うのも良いでしょう。新入社員教育の内容は、会社生活の基本、ビジネスマナー、自社についての知識、ビジネスの基礎知識、業界知識、パソコンやEメールなどの基本技能、実務研修などです。最近は、専用のソフトを使ったゲームを取り入れたり、ブログを使って日報を書かせたりという手法もあるようです。

研修内容が決まっていたとしても、教えるべき相手のことを理解していなければ、なかなか効率的に進められるものではありません。毎年、さまざまな機関が新入社員の傾向を調査しています。財団法人社会経済生産性本部による「新入社員タイプの命名」ですが、今年の新入社員のタイプは「エコバッグ型」とのことです。

「環境問題(エコ)に関心が強く、節約志向(エコ)で無駄を嫌う傾向があり、折り目正しい。小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる(育成する)必要がある。
酷使すると長持ちしない(早期離職)が、意外に耐久性に優れた面もあり、活用次第で有用となるだろう。早く消費を上向かせ、エコバッグを活用する機会を増やしたいものである。」

このほか、大手企業が行っている調査からも、2009年度の新入社員は節約志向や安定志向があることが読み取れます。内定直後の経済環境悪化により、安定した会社を求めること、万が一に備えて貯金をすることを重視しはじめたようです。ただし、当然のことながら、一人一人違う存在ですので、本当に理解しようと思えば対話が大切になってきます。傾向を知るのは理解の助けになりますが、決めつけるのではなく対話しながら、継続的に教育を行い、人財に育てたいものです。